2つ目の人生の探し方

40代からのやりたい仕事の見つけ方「企画の三角形」

こんにちは、sayocafeです。

私は企画会社や出版社などでの人事の仕事をメインキャリアとして、20年間会社勤めをした後、1つ目の仕事人生を卒業、現在は2つ目の仕事人生を探している40代の専業主婦です。

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自分探しの真っ最中です!

 

さて今回は、40代の女性が2つ目の仕事人生に挑戦するときにぶつかる壁、

私が本当にやりたい仕事って何だろう・・・?

そう、「人生二度目の自分探し問題」についてです。

 

人生後半戦で新しい仕事人生を歩みたいと思っても、「やりたいことがわからない」「やりたいことがない」という方は少なくないと思います。

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私も気持ちが弱くなったときは、「やりたいことが見つからない」ループにハマってしまいます…

 

そこで今回は、自分のやりたいことがわからない方におすすめの方法をご紹介します。

 

それはずばり、「企画の三角形」といいます!

 

この方法は、私が長年会社人事として多くの社員や新卒の学生たちのキャリアコンサルをするときに、効果を発揮したものです。

それではどうぞご覧ください。

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コンセプトの発想法「企画の三角形」

「企画の三角形」とは、コンセプトメイキング手法の一つです。

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以前私が人事として勤めていた企画会社では、新卒採用や内定者向けに「『企画』とはなんぞや」をレクチャーする際に、この「企画の三角形」をよく題材にしていました。

 

コンセプトの直訳は「概念」という意味ですが、ちょっとわかりにくいですね。

コンセプトとは「世の中や時代が求める価値観や視点・考え方」、つまり「この企画って一言で言うと何?どうしたいの?どうなりたいの?」という指針のことだと考えてください。

 

つまりこの「企画の三角形」とは、世の中に新しい価値観を生み出す企画づくりの第一歩というわけです。

見た目はシンプルですが、学生にも理解できるほどわかりやすく、世の中のさまざまなヒット商品やサービスにも当てはまる手法です。

 

三角形の三辺はそれぞれ、企画を作る際の要素を表しています。

「企画の三角形」とは
  • 底辺・・・誰に(企画のターゲット、幸せにしたい人)
  • 高さ・・・何を(実現したい未来・新しい価値)
  • 斜辺・・・どうやって(どんなカタチで実現するか)
  • 三角形の面積・・・企画の価値の大きさ

企画を立てるときは、まず底辺の「誰に」と高さの「何を」を明確にします。

そしてそれを明確にする作業を「三角形の辺を伸ばす」と表現します。

それぞれの要素を深堀りすればするほど、各辺の長さが伸びるという意味です。

 

企画のターゲットである「誰に」の底辺を伸ばすには、顧客一人ひとりの好きなものや困っていることなどを知るデータマーケティングを深めていきます。(ペルソナとも言いますね)

また「何を」の高さを伸ばすには、その企画を通じて実現したい「明るいわくわくする未来」をどれだけ大きく描けるかが大切です。

 

優れた企画は

  • どれだけターゲットを深堀りして仮説を立てているか
  • どれだけ世の中をもっと良くしたいという想いがあるか

の2つがキモです。

「誰に」の底辺と「何を」の高さ、それぞれの辺が長ければ長いほど、三角形の面積、つまりその企画の価値が大きくなるのです。

 

そして「誰に」の底辺と「何を」の高さの2辺をつなぐのが、斜辺の「どうやって」です。

「どうやって」は、その企画を実現する具体的な方法です。

プロダクトであったりプラットフォームであったり、ターゲットに提供したい明るい未来をどうやって実現するか、というカタチが、この斜辺の「どうやって」にあたります。

 

「旭川動物園」の「企画の三角形」

具体的な例で見てみましょう。

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ペンギンが自由自在に泳ぎ回る姿を全方位から見ることができる水中トンネルなどの「行動展示」で人気の、北海道の旭山動物園を「企画の三角形」に表してみました。

旭山動物園のコンセプトは、「いのちを伝える動物園」。

1997年にこのコンセプトで「行動展示」による施設づくりを行い、今では日本全国の動物園のモデルケースになっています。

 

三角形の底辺「誰に(ターゲット)」は、「動物がいきいきと自然環境で生きる姿を見たことがない子どもたち」です。

当時日本にあった動物園は、パンダ、コアラ、ラッコ、ウーパールーパー、エリマキトカゲ(懐かしい…)というような珍しい動物たちを集めた「珍獣の見世物小屋」というポジションでした。

またこの頃は、核家族化、つめ込み教育激化により「生き物の命」を教える場や人が少なくなってもいることが問題視されていました。

動かなくなったカブトムシに「電池を入れて」と親にせがむ子どもや、切り身の魚が海に泳いでいる絵を描く子どもの存在が、まことしやかにささやかれる時代だったのです。

 

そんな時代に、当時人気が低迷していた旭川動物園の立て直しを図るスタッフたちが、動物園の存在意義を徹底的に議論して見つけ出した、三角形の高さ「何を(実現したい未来)」とは。

それは、「子どもが動物と一緒に楽しい時間を過ごし、その中で動物の素晴らしさを感じてもらいたい。それをきっかけに動物たちを保護し、動物の生きる地球環境を守る意識を育てたい。」という想いでした。

 

そして、その想いをどのように実現するのが効果的か。

「誰に」と「何を」をつなぐ三角形の斜辺「どうやって」が、動物本来の特徴的な能力や行動を見せる「行動展示」や生育環境を忠実に再現する「生態展示」という手法だったのです。

 

このように「企画の三角形」に落とし込んでみると、やりたいことや、実現したい未来がわかりやすく整理できます。

次にこの方法を使って、40代からの2つ目の仕事人生を見つけるやりかたを考えてみましょう。

旭山動物園が大復活を遂げたコンセプトリメイキングの裏側に興味がある方は、当時の園長である小菅正夫さんの著書「<旭山動物園>革命―夢を実現した復活プロジェクト」(角川新書)をおすすめします。

マスコミでは「奇跡の復活劇」なんて取り上げ方をされていましたが、企画づくりの基本に忠実で、あらゆるビジネスモデルの参考になる良書です。私は一気読みしちゃいました!

↓  ↓

「企画の三角形」で40代からやりたい仕事がわかる

では実際に「企画の三角形」を書きながら、40代からの2つ目の仕事人生で、自分が本当にやりたいことを考えてみましょう。

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先ほどの旭山動物園再建プランを思い出しながら、自分が「株式会社自分」の社長になったつもりで、あなたが仕事を通じて実現したい未来を大きく描いてください。
「企画の三角形」で考えるキャリア
  • 底辺・・・誰に(企画のターゲット、幸せにしたい人)
  • 高さ・・・何を(実現したい未来・新しい価値)
  • 斜辺・・・どうやって(どんなカタチで実現するか)
  • 三角形の面積・・・企画の価値の大きさ

 

まず「誰に」と「何を」を書き出します。

これはどちらが先でもかまいません。

「やりたい仕事が何かわからない・・・」という方も、現在のあなたの経験値やスキル、制約や諸条件などはいったん横に置いておいて、まっさらの状態から始めましょう。

 

以下は、「誰に」と「何を」を設定するための問いの一例です。

■「誰に」を考える

あなたが幸せにしたい人は誰ですか? どこでどんな暮らしをしていますか?

その人はどんなことに困っていますか? それは何が原因だと思いますか?

その人が欲しいものは何ですか? これから欲しくなるものは何だと思いますか?

その人の好きなこと、苦手なことは何ですか?

その人にどんなことで「ありがとう」と言われたいですか?

あなたはなぜその人を幸せにしたいのですか?

■「何を」を考える

今あなたが不便だと感じていることは何ですか?

こうしたらもっと楽しくなるのにと思うことはありますか?

あなたが思い描く理想の世界はどんな場所ですか?

その理想の世界に足りないものは何ですか?

何が原因で今の世界にそれがないのだと思いますか?

それが新しく生まれたら、どんな人にどんな幸せが訪れると思いますか?

 

「誰に」と「何を」は、「株式会社自分」の理念です。

流行が移り変わり時代が変化しても変わることのない、あなたの2つ目の仕事人生の骨子にあたる部分ですから、しっかり時間をかけて考えてみてください。

 

次に、「誰に」と「何を」をつなぐ「どうやって」を考えます。

どうやったら楽しくワクワクしながら新しい未来を実現できるか、アイデアをどんどん出してみましょう。

 

ただし、実は「どうやって」は、ぶっちゃけ何でもよかったりします。

え、それどういうこと??

 

ですよね。でもちょっと考えてみてください。

「どうやって」とは、あなたが思い描いた「誰かを幸せにする未来」を実現する具体的な方法のことでした。

そしてその方法って、ひとつとは限らないですよね。

それに、「誰に」「何を」を不変的な理念とすると、「どうやって」は可変的な戦略にあたります。

つまり、世の中の変化に合わせて柔軟にカタチを変えて提供すべきものだということです。

 

だからまずは、「誰に」「何を」をしっかり考えること。

 

「やりたいことがわからない」という方は、具体的な方法論である「どうやって」が見えないと不安になってしまう傾向があります。

 

でも、「どうやって」だけでは、あなたが本当にやりたいことは見つかりません。

「誰に」「何を」がしっかり設計できれば、「どうやって」はそのあときっと具体的なカタチになるはずです。

あせらずに、じっくり時間をかけて考えていきましょう。

「企画の三角形」でやりたい仕事を描く2つのポイント

「企画の三角形」を使ってやりたい仕事を考えるときに、気をつけたいポイントが2つあります。

  1. 「どうやって」は後まわし。「誰に」「何を」から考える。
  2. 「何を」と「どうやって」を混同しない。

ひとつずつ見ていきましょう。

①「誰に」「何を」から考える

私たちが新卒採用試験や内定者教育で、学生たちに「企画の三角形」を使って新規企画のコンセプトメイキングをする課題を出すと、大半の学生が陥るミステイクポイントが、「どうやって」という手法から考えるというものでした。

上記の旭川動物園の例でいくと、「動物園を再建せよ」というお題に対して「そしたら『行動展示』をやりましょう!どんなデザインにしましょうか。子ども向けのポップなものがいいですよねー。」みたいなことです。

 

何が問題か、わかりますよね。

 

はい、ここには「どんなことに困っている「誰」に、どんな「明るく新しい未来」を提供したいか」というコンセプトの核がないのです。

 

『行動展示』というのは、ただの方法論です。

「いきいきと生きる動物を見たことがない子どもたちが、自然に生きる動物とふれあう場をつくり、いのちの素晴らしさを伝えたい。そして地球環境を守る意識を育てたい。」という、「誰に」と「何を」を実現する最適な方法として『行動展示』が生まれたのです。

 

まず「誰に」「何を」を明確にしてから、「どうやって」のアイデアを考えましょう。

この順番を逆にしてしまうと、誰にも求められていない、もしくは類似品と差別化できない、独りよがりの内容になってしまいます。

「どうやって」を考えるのは楽しい作業なので、ついついそこに引っ張られてしまいがちです。

しかしどんな企画も仕事も、ターゲットと、実現したい新しい未来ありきだということを忘れないようにしたいですね。

②「何を」と「どうやって」を混同しない

新卒採用試験や内定者教育では、これもよく学生が陥りやすいミステイクポイントでした。

上記の旭川動物園の例で学生たちに考えさせると、「何を(実現したい未来・新しい価値)」を「行動展示」、「どうやって(どんなカタチで実現するか)」を「SNSで展示のアイデアを募って参加型動物園をつくる」「ケニア国立公園とタイアップしてリアルツアーを企画する」とかになっちゃうのです。

 

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いやいや、「行動展示」って実現したい未来じゃないよね。

それ、「何を」じゃなくて「どうやって」でしょ。

「何を」を真剣に考えられていないから、三角形の高さが低くて、面積=企画の価値が小さいよ。

というのが人事担当者のお決まりのツッコミパターン、というのは置いといて。

 

「何を」って実際、考えるの難しいんです。

 

マーケティングで顧客分析をしたり、斬新な何かを!と言われて〇〇社とタイアップ、○○キャンペーンをぶち上げるとか、日頃の仕事で「誰に」と「どうやって」を考える機会は比較的多いと思います。

でも「この仕事や企画を通じて、世の中をどう変えたいか」って、普段の業務の中でいちいち考えないですよね。

 

そう。

経営者や事業責任者レベルでないと、この「何を(実現したい未来・新しい価値)」を考える経験って、実はあまりないのではないでしょうか。

だから「何を」を考えるのは難しい、というか、とっつきにくいのです。

 

学生や一般社員レベルが「どうやって」を「何を」と混同しがちな理由は、「とにかく何か良いネタ出せ!」という上からの司令をこなすこと=「どうやって」の多くのアイデアを出して実行することが、自分の存在価値だと思ってしまう環境にあるのかもしれません。(目の前のミッションをクリアすることが、会社員の使命ではあるのですが。)

 

でも、世の中をもっと良くしたいという気持ちがどれだけあるか、想いの強さと深さが「何を」の高さを伸ばし、三角形の面積=企画の価値を大きくします。

 

40代から、自分が本当にやりたい仕事を考えるとき、あなたは「株式会社自分」の社長です。

あなたが実現したい未来を、大きく描いてみてください。

誰に怒られたり笑われたりするものでもないのですから、思いきり高く!

自分のコンセプト=「自分ブランド」をつくる

40代からの2つ目の仕事人生で、本当にやりたいことが見つかる「企画の三角形」の描き方をご紹介しました。

 

40代からの2つ目の仕事人生は、これから何十年も続けるライフワークです。

あなたが幸せにしたい「誰」と実現したい「何」を深堀りすればするほど、三角形の辺の長さが伸びて、大きな価値を生む仕事人生が見つかるはずです。

 

慣れないうちは難しく感じたり、何も思い浮かばなかったりするかもしれませんが、気にすることはありません。

また、自分で書いたものを見て「私にこんなことできるわけがない…」と自己嫌悪に陥る方もいるかもしれませんが、悲観的になる必要もありません。

 

だって、上司も家族も友人も、誰もあなたの書いた「企画の三角形」を見て、点数をつけたりなんかしません。

私たちは自由に思ったことを書いていいのです。

そして、違うかなと思ったら、また新しく書き直せばいいし、迷ったらいくつでも三角形を書いていいのです。

 

自分のコンセプトメイキングをすることは、「自分ブランド」を作ることです。

そして40代からの2つ目の仕事人生は、自分ブランドを確立することと同じです。

この「企画の三角形」を使って、誰にどんな価値を提供したいのかコンセプトメイクして、やりたいことを見つけるきっかけにしてくださると嬉しいです。

 

一緒にがんばりましょう。

sayocafe.

ご紹介した「企画の三角形」以外のコンセプトメイキングの入門編として、元博報堂の制作部長である高橋宣行さんの「コンセプトメイキング 変化の時代の発想法」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をオススメします。

こちらで紹介されている図法も明快で、さくさくとコンセプトメイキングが進みます。私もよく企画立案の参考にさせていただいていました。

こちらの本はシリーズ化されており、どれもわかりやすくためになりますが、最も汎用性が高いのがこの本だと思います。

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ABOUT ME
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20年間の会社員人生を卒業後、2つ目の人生を探す40代専業主婦です。 社会派ブロガーちきりんさんの「2つ目の人生を40代からはじめよう」というコンセプトに共感するアラフォー女性に向けて、人生後半戦の楽しみ方を発信します。